2012年05月23日

滅法

 『 滅法 』

  仏教の絶対的真理 である 真如 ( しんにょ : あるがままにあること ) や 涅槃 ( ねはん : あらゆる煩悩が消滅し、苦しみを離れた安らぎの境地 ) など、因果関係に支配される世界を超えて、絶対に生滅変化することのないものを 「 無為 」 ( むい ) や 『 滅法 』 ( めっぽう ) といいます。

  「 滅法 」 には 「 因縁を超越した不変のもの 」 という意味が含まれることから、近世になって 「 めっぽう強い 」 など、「 桁外れ 」 という意味が派生しました。
  

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2012年02月19日

四親王家

 『 四親王家 』

  江戸時代、皇室において 親王 ( しんのう : 皇族男子の身位のひとつ ) の位を代々保持し続けた 四つの宮家『 四親王家 』 ( ししんのうけ ) といい、伏見宮 ( ふしみのみや )・ 桂宮 ( かつらのみや )・ 有栖川宮 ( ありすがわのみや )・ 閑院宮 ( かんいんのみや ) という四つの宮家になります。

  元は 皇位継承資格者確保 するという目的から 世襲制 で親王家を継承していましたが、明治維新後に世襲親王家の制度は廃止されました。

※現在の桂宮家と旧桂宮家は無関係
  

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2012年02月05日

仮名

 『 仮名 』

  中国伝来の 漢字「 真名 」 ( まな ) と呼ぶのに対し、日本で生まれた音節文字 ( 一字が一音節を表す文字 ) を 『 仮名 』 ( かな ) といいます。

  古くは漢字の音や訓によって 「 波流 ( 春 ) 」 や 「 八間跡 ( やまと ) 」 のように、漢字本来の意味とは異なる日本語の音を表記した 「 万葉仮名 」 ( まんようがな ) が用いられ、それが次第に簡略化されて 「 伊 → イ / 宇 → ウ 」 のような漢字の画の一部分より作られた 「 片仮名 」 ( かたかな ) が生まれました。

  また、漢字の筆画をくずした草書体から草仮名をへて 「 平仮名 」 ( ひらがな ) も生まれました。
  

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2012年01月05日

睦月

 『 睦月 』

  陰暦一月 のことを別名 『 睦月 』 ( むつき ) といい、その語源は、“ 新年を迎えて親疎ともども往来して仲睦 ( むつ ) まじくする月 ” であることに由来しているとされています ( 諸説あり )。

  そして、明日 ( 1月6日 ) は 二十四節気 のひとつ 小寒 ( しょうかん ) といい、暦の上では一年で一番寒いとされる ( かん ) と呼ばれる期間に入る 寒の入り ( かんのいり ) とされ、1月20日大寒 ( だいかん ) を中日とし、2月4日立春 を迎えると 寒の明け ( かんのあけ ) となります。
  

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2011年12月19日

京野菜

 『 京野菜 』

  京都は山々に囲まれた 盆地 であり、海の幸 をもたらす 日本海瀬戸内海 から遠く離れているため、昔は新鮮な海産物を手に入れることが非常に困難でした。

  したがって、市街近郊で栽培される新鮮な野菜が人びとの食生活を支え続け、京都は野菜を中心とする 蔬菜文化 が発展しました。

  現在では 『 京野菜 』 として全国に流通していますが、賀茂なす九条ねぎ聖護院だいこん鹿ケ谷かぼちゃ伏見とうがらし壬生菜 など、どの京野菜にも栽培された 京都近郊 ( 江戸時代の市街地の近郊地 ) の地名 が付いています。
  

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2011年11月05日

玄関

 『 玄関 』

  一般的に 建物の正面の出入り口 『 玄関 』 ( げんかん ) といいますが、その語源は “ 玄妙の道に入る関所 ” ともいわれ、禅寺 において 悟りを求める道入り口 となる のことを 「 玄関 」 と呼ぶことに由来しています。

  “ 玄妙 ” ( げんみょう ) とは 道理や技芸が奥深い微妙な様子 を表す言葉で、禅寺で追い求める悟りの道は奥深く玄妙であることから、禅寺・方丈の入り口に立つ門を “ 玄妙の道に入る関所 ” として 「 玄関 」 と呼ぶようになったと伝えられています。
  

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2011年10月07日

タラヨウ

 『 タラヨウ 』

  糺の森 は平安以前の 原生樹林の植生 を残す貴重な森林で、約40種600本の樹木が生い茂っています。

  糺の森に鎮座する下鴨神社の境内には 『 タラヨウ 』 というモチノキ科の樹木があり、その葉は細い棒で傷つけると黒く変色して 文字が書ける ことから、古代インドでは経文を書く時に用い、ゆえに 「 多羅葉 」 ( タラヨウ : 多羅は仏教用語 ) と名付けられました。

  日本でも昔はタラヨウの葉に文字を書いて恋文や手紙とし、その故事が 「 葉書 」 ( はがき ) の語源となりました。
  

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2011年09月19日

檜舞台を踏む

 『 檜舞台を踏む 』

  清水寺の舞台 ( ひのき ) の板間 です。

  観光客で賑わう清水寺の舞台は、本来の役目は御本尊の観音様に御利益をいただいたお礼に 舞楽などを奉納するための舞台 です。

  昔から清水寺は観音信仰の霊場であり、清水寺の観音様への奉納舞は、当代一流の演者 が選ばれていました。 演者にとって清水寺の舞台で踊ることは非常に誉れ高いことでした。

  人生のハレの舞台『 檜舞台を踏む 』 といいますが、この檜舞台とは 清水寺の檜の板間の舞台 が語源とされています。
  

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2011年09月12日

中秋の名月

 『 中秋の名月 』

 名月や
   池をめぐりて
         夜もすがら

 名月の美しさに心を奪われてしまい、ただ月影の宿る池の周りをいつまでも歩き続けてしまった・・・


  江戸前期の俳人 ・ 松尾芭蕉 が、数名の門人と会して月見を行ったときに詠んだ俳句といわれています。

  平安の昔から人びとは夜空に浮かぶ月に心を奪われてきましたが、そのなかでも 旧暦8月15日 の夜空に輝く満月はとくに美しいとされ、古くから 中秋の名月 と称されてきました。

  今年の中秋の名月は本日 9月12日 です。
  

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2011年06月11日

梅雨

 『 梅雨 』

  毎年6月11日頃を 入梅 ( にゅうばい ) といい、暦の上では 梅雨に入る日 とされてきました。

  古く中国では ≪ 黴 ( かび ) の生えやすい時期の雨 ≫ より 黴雨 ( ばいう ) と呼び、≪ 梅の熟れる時期の雨 ≫ でもあるため 梅雨 ( ばいう ) と変化して日本に伝えられたようです。

  『 梅雨 』「 つゆ 」 と読むようになったのは江戸時代以降のことで、梅の実が熟れて潰れることから ≪ 潰ゆ ≫ ( つゆ ) となったなど諸説あります。
  

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2011年05月21日

うどん

 『 うどん 』

  『 うどん 』 は江戸時代の中頃に食文化として広がったと言われていますが、弘法大師空海 の出身地であり、お遍路さんで知られる香川県では、空海が唐より密教とともに日本に伝えたと語られ、現在も 讃岐うどん として親しまれています。

  当時、唐から伝えられたのは小麦粉の生地に餡などを包んだ 「 こんとん 」 と呼ばれる唐菓子とされ、それを温めて食べた 「 うんとん 」「 うどん 」 に通じる食べ物と考えられています。
  

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2011年03月17日

殿司

 『 殿司 』

  東福寺涅槃図 を描いた室町初期の画僧・明兆 ( みんちょう ) は、墨の線描きと強い色彩を調和させた手法で多くの 頂相 ( ちんぞう : 高僧の肖像画 ) など描きました。

  明兆東福寺殿司 ( でんす ) となったために 兆殿司 ( ちょうでんす ) とも呼ばれています。

  『 殿司 』 ( でんす ) とは 禅寺 において、殿堂の掃除灯燭 ( とうしょく : ろうそく )、香華 ( こうげ : 仏前に供える香と花 )、供物 ( くもつ : 供え物 ) などを取り扱う 役僧 をいいます。
  

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2011年03月12日

御璽と国璽

 『 御璽と国璽 』

  法律や条約の公文書や内閣総理大臣の任命辞令書などに押す 天皇の公印『 御璽 』 ( ぎょじ ) といい、国書・親書や勲記 ( 勲章の証書 ) に押す 国家の公印『 国璽 』 ( こくじ ) といいます。

  現在の御璽と国璽は、明治7 ( 1874 ) 年に京印章の名匠・安部井櫟堂 ( あべいれきどう ) が1年がかりで製作したもので、どちらも大きさ約 9cm 四方の角印で、純金製で重量 4.5kg の印章です。

  御璽 には 「 天皇御璽 」 の4文字が、国璽 には 「 大日本國璽 」 の5文字が刻まれています。
  

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2011年03月09日

数珠

 『 数珠 』

  数多くの玉を糸で貫いて輪形にした法具を 『 数珠 』 ( じゅず ) といいます。

  古代インドのバラモン教で用いられた道具を原型とし、のちに釈迦によって仏教でも用いられ、中国から日本へ伝来したとされています ( 諸説あり )。

  一般的な数珠の玉の数は煩悩の数とされる 108個 を基本とし、唱えた念仏の回数を数える 時に玉をつまぐる目的で用いられたことから、鎌倉時代に入って 浄土の教え が流行して念仏が盛んになるとともに世間一般に広く普及しました。
  

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2011年03月06日

浮世絵

 『 浮世絵 』

  “ 浮世 ” ( うきよ ) とは、“ 憂き世 ” ( うきよ : つらい世の中 ) と “ 浮世 ” ( ふせい : はかない世の中 ) のふたつが重なり合った言葉で、今の世の中 ( 俗世間 ) という意味になります。

  江戸時代、浮世の風俗を題材に描かれた肉筆画や多色刷りの版画 ( 錦絵 ) を 『 浮世絵 』 ( うきよえ ) といい、芝居・遊里・相撲など町人階級の好んだ風俗や似顔絵・風景などが多く描かれました。

  明治時代になると浮世絵は軽んじられ、多くの優れた作品が海外に散逸してしまいました。
  

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2011年01月12日

立砂

 『 立砂 』

  上賀茂神社 の細殿 ( ほそどの ) の前にある 『 立砂 』 ( たてすな ) は、砂を円錐形に盛り上げたもので、賀茂の神が天から降臨した と伝えられる 神山 ( こうやま : 上賀茂神社の北側にある円錐形の美しい山 ) をかたどったものといわれ、依り代 ( よりしろ : 神様が招き寄せられて乗り移るもの ) とされています。

  この立砂が、鬼門 ( きもん : 北東の方角、忌み嫌われる方角 ) などに撒く 清めの砂 の起源であり、玄関などに盛る 盛り塩 の起源でもあります。
  

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2011年01月11日

鏡開き

 『 鏡開き 』

  日本語には、不吉な事縁起の悪い言葉 の使用を避け、別の異なる言葉を用いて表現する習わしがあります。

  例えば、結婚式や忘年会などの宴会が終了する時、「 終わり 」 という言葉を嫌って 「 お開きにする 」 という言葉を用います。 この場合、「 開く 」 は 「 終わる 」 の 『 忌み詞 』 ( いみことば ) となります。

  さて、1月11日は正月に飾った鏡餅を神棚から下げ、雑煮やお汁粉にして食べる 『 鏡開き 』 の日 です。 鏡のような丸い餅を割って食べるわけですが、「 開く 」 は 「 割る 」 の忌み詞でもあります。
  

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2011年01月10日

えびす神

 『 えびす神 』

  『 えびす神 』 を祀る神社では、毎年1月10日 ( 今日 ) に 「 十日えびす 」 と呼ばれる大祭が行われ、商売繁盛を願って多くの参拝者で賑わいます。

  えびす「 戎 」「 夷 」 と書かれることもあり、昔は朝廷の支配に抵抗し服属しなかった人を 「 戎 」 や 「 夷 」 と呼んだように、「 異邦 」「 外来 」 という意味があります。

  つまり えびす神海の向こうからやってくる外来の神 であり、漁業において 豊漁をもたらす神 とされ、商業の発展とともに 商売繁盛の神 となりました。
  

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2011年01月09日

七福神

 『 七福神 』

  福徳をもたらす七体の神 『 七福神 』

  商売繁盛 「 ゑびす神 」、開運招福 「 大黒天 」、七福即生 「 毘沙門天 」、福徳自在 「 弁財天 」、延寿福楽 「 福禄寿神 」、不老長寿 「 寿老神 」、諸縁吉祥 「 布袋尊 」。

  七福神の福徳を授かるために巡拝する 『 七福神めぐり 』 は昔から盛んに行われ、新年を迎えた1月の巡拝は特に功徳が大きいとされています。

  都七福神めぐり京都七福神めぐり京洛七福神めぐり など、巡拝ルートと社寺 ( 重複する社寺もある ) は幾多もあり、それは七福神に対する京都の人びとの 厚い信仰人気 のあらわれ です。

『 都七福神めぐり 』  1月1日~31日
   ゑびす神  恵美須神社
   大黒天    松ヶ崎大黒天
   毘沙門天  東寺
   弁財天    六波羅蜜寺
   福禄寿神  赤山禅院
   寿老神    革堂 ( 行願寺 )
   布袋尊    萬福寺
  

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2011年01月08日

初ゑびす

 『 初ゑびす 』

 商売繁盛
   笹持って来いー!

  ゑびす囃子 ( えびすばやし ) が飛び交う 恵美須神社 ( えびすじんじゃ ) では、8日から12日にかけて 『 初ゑびす 』 が行われ、商売繁盛を願う多くの参拝者で賑わいます。

  は松竹梅の竹の葉で縁起が良く、“ 節目正しく真っ直ぐ ” “ 葉が常に青々と繁る ” ことから 家運隆昌商売繁盛 に通じるとされ、その笹の先に福俵 ・ 宝船 ・ 熊手などの縁起物をつけた 福笹 を持ち帰る習わしです。

 8日 餅つき神事・湯立て神楽
   9日 午後2時 宵ゑびす祭
     10日 午後2時 初ゑびす大祭
       11日 午後8時 のこり福祭
         12日 午後8時 撒福祭
  

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2011年01月05日

睦月

 『 睦月 』

  陰暦一月 のことを別名 『 睦月 』 ( むつき ) といい、その語源は、“ 新年を迎えて親疎ともども往来して仲睦 ( むつ ) まじくする月 ” であることに由来しているとされています ( 諸説あり )。

  そして、明日 ( 1月6日 ) は 二十四節気 のひとつ 小寒 ( しょうかん ) といい、暦の上では一年で一番寒いとされる ( かん ) と呼ばれる期間に入る 寒の入り ( かんのいり ) とされ、1月20日大寒 ( だいかん ) を中日とし、2月4日立春 を迎えると 寒の明け ( かんのあけ ) となります。
  

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2010年12月04日

臘月

 『 臘月 』

  12月の異名師走 ( しわす ) の他に 『 臘月 』 ( ろうげつ : 年の暮れ という意味 ) があります。

  現代では聞き慣れない言葉ですが、例えば12月に降る雪を 臘雪 ( ろうせつ )、大晦日の事を 臘日 ( ろうじつ ) といいます。

  仏教の世界では、仏教の祖である お釈迦さま が悟りを開いた 12月8日 のことを 臘八 ( ろうはち : 臘月八日 ) といい、禅寺において12月1日から8日にかけて 臘八会 ( ろうはちえ ) という法要が営まれ、8日間休まず座禅する修行・ 臘八接心 ( ろうはち / ろうはつ - せっしん ) が行なわれます。
  

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2010年10月01日

神無月

 『 神無月 』

  実りの秋を迎える 陰暦10月異名『 神無月 』 ( かんなづき ) といいます。

  その語源は、五穀豊穣に感謝して 神を祭る月 であることから 「 神の月 」 とする説が最も有力で、「 無 」「 の 」 を意味する格助詞とされています。

  また、雷が収まって鳴らなくなる月ということから 「 雷無月 」 ( かみなしづき ) が転じたとする説、新穀で酒を醸造する月であることから 「 醸成月 」 ( かみなしづき ) が転じたとする説などがあります。
  

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2010年09月01日

長月

 『 長月 』

  夏から秋へ・・・、季節が移ろう 陰暦9月の異名『 長月 』 ( ながつき ) といいます。

  その語源は、夜が次第に長くなる月という ≪ 夜長月 ≫ から長月になったとする説や、雨が長く続く月という ≪ 長雨月 ≫ から長月になったとする説、稲穂が長くなる月という ≪ 穂長月 ≫ から長月になったとする説など諸説が伝えられています。

  また、木の葉が色づき始める長月は 色取月 ( いろどりづき ) ともいい、ゆっくりと秋が訪れてくる季節です。
  

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2010年08月25日

法名

 『 法名 』

  仏門に入った仏教徒や、死者に付けられる名前を 『 法名 』 ( ほうみょう ) といいます。

  室町幕府を開いた 足利尊氏法名〔 等持院殿仁山妙義大居士 〕 より、足利家の菩提寺は 等持院 ( とうじいん ) と名付けられました。

  法名を寺名とする寺院は、室町幕府3代将軍・足利義満 の法名 〔 鹿苑院 〕 にちなんだ 鹿苑寺 ( ろくおんじ : 金閣寺 ) や、8代将軍・足利義政 の法名 〔 慈照院 〕 にちなんだ 慈照寺 ( じしょうじ : 銀閣寺 ) などが知られています。
  

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2010年08月09日

浄玻璃の鏡 と 人頭杖

 『 浄玻璃の鏡 と 人頭杖 』

  閻魔庁総司 として死者の生前の罪を裁く 閻魔王 は、『 浄玻璃の鏡 』 ( じょうはりのかがみ ) と 『 人頭杖 』 ( じんとうじょう ) と呼ばれる道具を持ち、死者の生前の罪判決 を下します。

  浄玻璃の鏡 は死者の生前の真の姿を映し出す鏡であり、人頭杖 は閻魔の問いに嘘をつくと怖い顔が口から炎を噴き出し、正直な答えには優しい顔の口から白蓮華を噴くといわれ、生前の善行と悪業を閻魔王に知らせます。
  

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2010年08月07日

六道の世界

 『 六道 』

  迷いのない浄土世界に対して、まだ迷いのある世界を 『 六道 』 ( ろくどう ) といい、すべての人びとが生死を繰り返す六つの世界とされています。

  六道の世界とは・・・

 地獄道 : 地獄のこと
  餓鬼道 : がきどう : 飲食が自由にならず、飢えに苦しむ世界
   畜生道 : ちくしょうどう : 悪行の結果、死後生まれ変わる畜生の世界
    修羅道 : しゅらどう : 阿修羅が住み、常に争いの絶えない世界
     人間道 : にんげんどう : 人間として守るべき道
      天道 : てんどう : 天人の住む世界

  と考えられています。
  

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2010年07月30日

梨園

 『 梨園 』

  演劇の世界 や、とくに 歌舞伎の世界『 梨園 』 ( りえん ) と呼ぶことがあります。

  これは古く中国・唐の故事 に由来し、舞踊音楽 を愛した 玄宗皇帝 が、梨が植えられた 梨園 ( りえん ) と称される庭園に芸人を集めて自ら 舞踊や音楽を教えた といい、その子弟たちを 梨園の弟子 と呼び、後世になって 舞踊や音楽の世界 そのものを 梨園 と呼ぶようになりました。

  江戸時代に 歌舞伎 が盛んになると、演劇の中でもとくに 歌舞伎の世界梨園 と呼ぶようになりました。
  

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2010年07月22日

黄檗宗

 『 黄檗宗 』

  萬福寺 ( まんぷくじ ) は、寛文元 ( 1661 ) 年、中国福建省から渡来した 隠元 ( いんげん ) 禅師によって宇治の地に建立された、『 黄檗宗 』 ( おうばくしゅう ) 大本山の寺院です。

  黄檗宗を伝える高僧として知られた隠元禅師は、日本からの要請で渡来し、後水尾上皇徳川家綱 ( いえつな : 江戸幕府第4代将軍 ) から厚い信仰を集め、宇治に土地を与えられて萬福寺を創建しました。

  萬福寺の境内には、天王殿、本堂、法堂など、明朝風 ( 中国風 ) の建物 が並んでいます。
  

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2010年07月08日

文月

 『 文月 』

  陰暦七月異名『 文月 』 ( ふみづき ) といいます。

  文月の語源は、7月7日七夕 ( たなばた ) において短冊に歌や字を書いて献じたり、書物を夜風にさらす風習があったことに由来すると言われています。

  また、稲の穂が膨らむ月 であることから ほふみづき ( 穂含み月 ) や ふくみづき ( 含み月 ) が転じて、ふみづき ( 文月 ) になったとも言われています。

  現在の新暦では7月は夏ですが、文月 といえば 秋をあらわす季語 になります。
  

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