小町通

若村 亮

2012年02月22日 12:00

 『 小町通 』

  数々の伝説を秘めた一条戻橋から東へ歩くと、一条通から北へ延びる細い道があり、その交差点の北西角に 『 小町通 』 と書かれた小さな石碑が立っています。

  平安時代、小野小町 ( おののこまち ) の名声を妬む 大伴黒主 ( おおとものくろぬし ) は、前夜に小町邸で歌を盗み聞いて 万葉集草紙 ( そうし:綴じてある本 ) に書き加えて、翌日の歌合せで小町の歌が万葉集の 盗作 だと 批判 しましたが、小町が草紙を 井戸の水で洗う と、加筆された筆書きの文字が消えて 身の潔白が証明された という物語が伝えられています。

  石碑の辺りが謡曲 「 草紙洗小町 」 の舞台とされる小野邸の井戸があった場所とされ、細い道は 小町通 と呼ばれ、石碑の側面には 小野小町雙紙洗水遺跡 と刻まれています。

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