常照皇寺

若村 亮

2011年04月13日 12:00

 『 常照皇寺 』

  南朝と北朝に天皇家が二分して争った南北朝時代、北朝の初代天皇として権力闘争の渦中にあった 光厳天皇 ( こうごんてんのう ) は、晩年は激動の都を逃れて山深い里に移り、『 常照皇寺 』 ( じょうしょうこうじ ) を建立してひたすら禅の道を極めました。

  常照皇寺は市街地から北へ車で約1時間半ほどの京都市右京区 ( 旧京北町 ) にあり、現在も境内には光厳天皇お手植えとされる樹齢600年余の 九重桜 ( ここのえざくら : 国の天然記念物 ) が見事な花を咲かせます。

  権力闘争に明け暮れ、およそ宮中の優雅な暮らしと縁のなかった光厳天皇にとって、山深い常照皇寺は心休まる悟りの世界だったのかもしれません。

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