吉野太夫
『 吉野太夫 』
江戸時代初め、京はもとより、遠く江戸にまで
“ 京の島原に浮舟あり ” と知られた名妓がいました。
浮舟太夫 ( うきふねだゆう ) は絶世の美女というだけではなく、和歌や茶道、書道や生け花など、諸芸どれをとっても並ぶ者がない才気も持つ、まさに
当世一の名妓 でした。
春、桜が咲き誇る島原で、浮舟はまだ見たことのない
吉野山の桜 を想い浮かべながら歌を詠みました。
ここにさへ
さぞな吉野は 花ざかり
当世一の名妓に当世一の吉野桜、人はいつしか浮舟の名を
『 吉野太夫 』 と呼ぶようになりました。
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