相応和尚

若村 亮

2012年02月21日 12:00

 『 相応和尚 』

  平安前期の 天台僧 『 相応和尚 』 ( そうおうかしょう ) は、天長8 ( 831 ) 年に近江国で生まれ、15歳で 比叡山延暦寺 に入って 円仁弟子 として 天台密教 を修し、悪霊の調伏 ( ちょうぶく : 怨敵や魔物を打破して降伏されること ) や 清和天皇の歯痛を治す など数々の霊験を示しました。

  その後、貞観7 ( 865 ) 年、比叡山の南端に 不動明王 を本尊に祀る 無動寺 ( むどうじ ) を建立し、その辺り一帯の 無動寺谷 ( むどうじだに ) を中心に比叡山中を歩き巡って悟りを目指す 回峰行 ( かいほうぎょう ) を創始しました。

  国師号 の始まりとなる 最澄 ( さいちょう ) の 伝教大師 ( でんぎょうだいし ) と 円仁 ( えんにん ) の 慈覚大師 ( じかくだいし ) は、相応和尚が朝廷に上奏 ( じょうそう : 申請すること ) して賜ったことに始まります。

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